2013年06月13日

第06回:「必然」と「偶然」について

世界の物事や出来事の相互関係をとらえるうえでもっとも大切な言葉として、「必然」と「偶然」と言う言葉(概念)があります。

「必然」とは、必ずそうなる。つまり、そうなる以外にはありえないことを言います。
これに対して「偶然」とは、必ずそうなるとは限らない、または、そうなることもあればそうならないこともあることを言います。

この「必然」と「偶然」と言う言葉は投資をするうえで、非常に重要な概念になりますので、必ず憶えてほしい言葉になります。

では、もう少し具体例で「必然」と「偶然」を説明したいと思います。

たとえば、「人間」の一生で考えてみましょう。
人は生まれ時は親に助けてもらわないと何もできない赤ちゃんですが、やがて成長し、子供になり、大人になります。
そして最後は年老いた老人になり、やがて死を迎えることは「必然」になります。

しかし、老人になる前に不幸にも交通事故に遭って死んでしまうのは「偶然」になります。
また、重い病気にかかり命を落とすことも「偶然」になります。

人の一生.jpg
会社も同じで、正しい経営を正しくやっている会社は、成長していくとは必然だと自分は考えます。
しかし、企業も一辺倒に成長するわけではなく、急激な不況、地震などの天災などにより、自助努力だけでは成長できない場合もあります。

このように必然とは科学実験のように偶然性を全て取っ払った場合に必ず起こる事象とも言えます。

自分が投資する会社を選ぶときの基準に、その会社の必然性だけを取り出した時に、成長が見込める(将来性がある)と判断できた会社だけを選びます。
そして、どんな会社でも長く経営していれば、偶然性の強い小さなミスや事故は起こります。
その時の悪いニュースがテレビなどで放送されれば間違いなく株価が下がります。
この時こそ、株を買う絶好のチャンスが現れ、普段はなかなか下がらない優良会社の株を割安で買うことができます。

そして、長期投資をしていれば、投資した会社が一辺倒に成長するわけではなく、いろいろな問題や悪いニュースなどで突然、株価があっという間に半分以下に暴落することもあります。
その主な要因が必然的な問題 (根本的な内部問題)なのか、偶然的な問題(短期的に解決できる)なのかを見極めることはとても重要です。

偶然的な問題で株価が下がった場合は、例え、株価が買った時の10分の1になろうが適正な価格で株を買っているなら、持ち続けるべきです。
時間が経てば売り上げや利益が回復し、株価はもとの水準に戻ることは必然だからです。
しかし、粉飾決済やリコール隠しなどの企業体質が悪く、必然的に成長が見込めない場合は、株価がいくらだろうが売るべきです。

長期投資をしていれば、何らかの事件、出来事が起こり、必ず株価が暴落するときがあります。
その原因が必然的な問題なのか偶然的な問題なのかを分析することができていれば、株が下がろうとも慌てず株を持ち続けることができます。

近年で言えば、下記の悪いニュースでその会社の株価が下がりました。
演習の意味で下記の問題を必然的な問題なのか偶然的な問題なのかをぜひとも分析してみてください。
・オリンパスの粉飾決済
・BSE問題(狂牛病)→吉野家、すき家など
・原発事故(東京電力などの電力会社)
・トヨタの欠陥車問題
・サイゼリヤのデリバティブ取引の損失
・ユーロ危機(ギリシャ危機)


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posted by 長期投資家やぶっち at 10:15| Comment(2) | 第03章:投資の基本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事を読ませていただきました!

僕も投資で「自分の頭で考える力」、「本質を見抜く力」
を養うために哲学を勉強しました。

記事を読んで必然と偶然の区別は本当に大事だと改めて思いました。

最後の問題について僕なりにちょっと考えてみました。
・オリンパス
明らかに企業体質に問題があるので、投資は見送ります。
・BSE
この手の問題は時間が経つとほとんどの人は忘れてしまうと考えます。
政治的な問題でもあり、なんらかの解決策が出る可能性も高いので
偶発的な問題とみなします。
・原発事故
これは偶発的なものだと思います。
現実的なエネルギー事情からして、原発使用は当分避けて通れないので
長期的には関連企業は持ち直すと思います。
・トヨタ
これも偶発的なものだと思います。
アメリカが無理やりトヨタをやり玉にあげている感じもありましたので
買いをいれるチャンスだと考え、実際に利益を出すことができた記憶があります。
・サイゼリヤ
金融取引に失敗はつきものなので偶発的な問題です。
・ユーロ危機
これは必然的に起こった危機だと思います。
スケールが大きすぎて僕には全貌が理解できませんが、
同じ通貨を使いながら、財政政策が統一されていないというのは
やはり構造的な問題があると思います。

長々と失礼しました。
Posted by のり at 2013年10月15日 14:44
のりさん、コメントありがとうございます。

哲学を勉強されているとのことで、
投資と哲学(とくに経営者の経営哲学)はリンクするところが多く
哲学の勉強はとても投資に役に立つと自分は思います。

また、例え、投資で儲けることができなくても、
哲学は人生のためになることが多くいいですよね(*^_^*)

あと、仏教の中道と言う考え方も自分は好きです。
何をするにしても極端な方向にいかず、
その間のどこかに悟りの極致がるのかな〜とも思っています。


また、最後の問題に答えて頂きありがとうございます。
参考になるかわかりませんが、自分も回答してみたいと思います。

※自分の基本スタンスとして
 問題がない会社が多数あるなか、心配点がある会社を買う必要はないと自分は思っています。
 また、投資は、当たり前ですが、
「凄く太った人(凄くヤバイ会社)がいて、その人が太った人かどうか知るのに
 いちいち体重計にのらなくてもわかる(財務分析はいらない)」とも思っています。


・オリンパスの粉飾決済
 こちらは企業体質が必然的に悪化しているので、
 企業体質が改善されたと判断できない限り投資はしません。
 どのみち自分にはオリンパスの競争優位性はわからないので
 投資はしないですが…。


・BSE問題(狂牛病)→吉野家、すき屋など
 BSE自体は牛が食べているものを変えない限り同じ問題は起こるのは必然だと思います。
 そのため、投資しないが基本だと思います。
 ただし、優待利回りが良いので、潰れても良いという思いで
 自分は一単元だけ持っています。
 ⇒牛丼以外の朝メニュー(納豆定食)を食べています(^_^;)


・原発事故(東京電力などの電力会社)
 あの借金の額を考えると科学的(唯物論)に考えると
 普通の会社なら潰れるのが必然と思います。
 ただ、国が助けているので何とかやってるという感じだと思います。
 ただし、九州電力や他の電力会社はとくに被害はないわけですから
 買いかもしれません。
 なぜなら、原発事故の前と後で、原発に損傷を負ったわけではなく、
 風評被害で安くなっていたとも考えられるからです。
 ちなみに自分は、原発事故後に九州電力と関西電力に少し投資しました。
 ⇒あとで考えると自分の気持ち的にあまり良い投資とは言えませんでした。


・トヨタの欠陥車問題
 実際に渡辺社長のときは、トヨタが初めてGMを抜いて世界一になろうとする
 寸前だったので、ちょっと背伸びしすぎた面があると自分は思っています。
 そのため、荒んだ開発状況は確かにあったと自分は考えます。
 そのため、リコールが増えるのは必然だったのかな〜とも思っています。
 ただ、豊田社長になって、かなりトヨタは変わってきていると思います。
 そのため良い方向に行くのは必然だと思っています。
 今度、不景気等になってトヨタ株が下がった時は、買いだと思います。

・サイゼリヤのデリバティブ取引の損失
 こちらの株は、現在、自分はかなり投資しているのでかなり調査しました。
 まず、デリバティブ自体は、あとで会長も認めていますが、
 あまり知らずにコンサルタントに薦められてやったみたいです。
 そのため、例えるなら、上手く行っている喫茶店の経営者がFXで
 レバレッジ100倍くらいかけて豪ドルを買っていた状況だと思います。
 そのため、このようなことが起こったのは必然だと自分は考えます。
 ただし、痛い目をみた社長(現会長)は、責任を取って社長を退き、
 従業員には責任はないとのことで、従業員の給料は下げなかったと聞いています。
 ⇒そのフェアさが自分が投資する決め手の一つになりました。
 そして、今後はデリバティブはやらないと言っていました。
 損失後の財務を確認しましたが、損失額は経営を立て直せないほど致命的な赤字ではなく、
 必然的に一年で元の状態に戻れると自分は判断しました。
 そのため、今のサイゼリヤは割安なら投資すると判断しています。


・ユーロ危機(ギリシャ危機)
 自分もこの問題は大きすぎて俯瞰してみれているわけではないです。
 そこでまず、国と会社で分けて考えてみました。
 国(欧州圏)でみるとこの問題が起きたのは、
 TVやニュースや雑誌の状況からみて必然だと思います。
 そして、先進国はどこも借金を増やしており、
 アメリカや日本もいずれ同じような状況になると思います。
 
 ただし、会社単位でみればきちんとやっている会社もあると思っています。
 そのため、国レベルの問題が解決するなら、
 ちゃんとやっている会社の株は、割安になっている分、
 必然として劇的に上がると思っています。
 おそらく過去の歴史(ロシアやアルゼンチンなど)からみて、
 デフォルトして、新通貨が発行されてた一年後あたりが狙い目なのかな〜とも
 思っています。
 歴史をみると、ほとんどの国が下記の繰り返している気がします。
 @国が借金を増やしていく⇒Aデフォルトして徳政令を出す(もしくは滅ぶ)⇒
 B新通貨でやり直す(景気回復)⇒@に戻る
 
以上が自分の考えになります。
また、疑問点やご質問などありましたら、是非ともお返事を頂けると嬉しく思います。
(色々とまたのりさんと投資の話ができたらな〜とも思っています。)
Posted by やぶっち at 2013年10月19日 10:09
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